結び
シカダイがまだ幼く、自分で髪を結べなかったころ。 毎朝、わたしがシカダイの髪を結ってやっていた。ちょこんと座わるシカダイはまだ寝たいのか頭を揺らしているから、その頭から毛束を取り上げる。そして、いくらか櫛で毛を梳いてや…
シカダイがまだ幼く、自分で髪を結べなかったころ。 毎朝、わたしがシカダイの髪を結ってやっていた。ちょこんと座わるシカダイはまだ寝たいのか頭を揺らしているから、その頭から毛束を取り上げる。そして、いくらか櫛で毛を梳いてや…
一家の大黒柱であるシカマルが家に帰るのは決まって深夜だ。「ただいま」 と身重の妻を起こさぬように小声で帰宅を告げると、一日の汚れを落とすべく風呂場に直行して身を清める。あの書類はどうだったっけとか、ナルトの尻を叩くには…
「めんどくせーけど、入れとく?籍」 プロポーズの言葉は、ロマンチックのかけらもないものだった。居酒屋の片隅で言うことなのか?それ。「めんどくせー」が口癖のこの男に、情熱を求めるのが間違いだとはわかっている。けれど、『一生…
12歳のオレが思い描いていた人生設計は、平々凡々としたものだった。 適当に仕事して、ブスでも美人でもない女と結婚して、子どもは最初が女で後は男、隠居したら適当に将棋して、最期は嫁に看取ってもらう。適当に流して生きれりゃあ…
将来この人は、俺じゃない誰かと結婚して、俺じゃない誰かの子どもを産んで、俺じゃない誰かに看取られるのだろうか。 シカマルは、隣で美味そうに団子を頬張るテマリを見ながら思った。 そもそも、この人と俺の世界線が重なった…
※モブ目線です 「終わらない」 毎時…いや毎分ごとに増えていくダンボールに入った書類の山。 年末は相談役の会議やら決算やらで通常の倍以上の書類が、この火影相談室に運び込まれる。それらを精査・まとめをしてから火影様のとこ…