【R-18】5.発情期
春の日差しは、テマリの体を温める。巣穴近くにある芝生の上で、草に背中をすると背中を撫でられているような気になって心地がいい。テマリが一人でのんびりと過ごしていると、そこに角を生やした一匹のオスが近づいてきた。「よっ、何し…
春の日差しは、テマリの体を温める。巣穴近くにある芝生の上で、草に背中をすると背中を撫でられているような気になって心地がいい。テマリが一人でのんびりと過ごしていると、そこに角を生やした一匹のオスが近づいてきた。「よっ、何し…
友達の輪は広がっていく。だからシカマルとテマリが友達になると、また輪が大きくなった。二人を通じてキツネのナルトと、タヌキの我愛羅が仲良くなると、それがまた輪を広げて、気づけば大勢が集まるようになっていた。森のなかにある空…
日の当たる岩場の上は、シカマルのお気に入りの場所であった。ぽかぽかとした陽気で暖められたその場所で、身を丸めて眠る。敵のいないここでは、贅沢でもなんでもないことだったが、ダラダラしていても誰にも怒られないことが重要だった…
茶色の木の実がたくさん成る木。その根元に掘った穴が、テマリの家だった。テマリは暗い穴の中で、地面に置いていた麻袋をかき分ける。ぱんぱんに膨らんだ麻袋は、テマリがフレンズを捕まえなくともお腹いっぱいになれるまんじゅうがたく…
ここはナルトパークにある、しんりんちほー。たくさんの草と木に囲まれている場所。これは、そこで仲良く暮らしている、人に似たフレンズたちのお話。 もっと、もっと早く。太ももを高くあげて、テマリは森林の中を跳ねるように走ってい…
テマリが美味そうにザリガニを喰らった帰り道。「暇だ」テマリがオレの背中で体を伸ばしながら、しなやかな毛でオレの体を撫でる。子どもたちが乗っていたその場所に、今度は母親が乗っているなんて少し変な気がした。「暇って……冬支度…
イタチの子どもは、シカの子どものようにずっと傍にいるわけではないらしい。ある日、忽然とテマリの子どもたちは全員、姿を消した。「みんな、親離れしたんだ」一匹になったテマリは、切り株の上でぴんと背筋をたてながらそう教えてくれ…
森の中にある、苔むした切り株がテマリの住処だった。中がどうなっているかなんてシカのオレにはわからないが、テマリの子どもたちは「住みやすい」と言っていた。ほくほくした地面と、薄暗い隙間はイタチの好むところらしい。巣を持たな…
春を迎えた森は、騒がしくなる。花が開いた木々たちは緑の森に彩りを与え、その木の上で親鳥がピーチクパーチクとくだらないお説教を小鳥にしている。花は木の実になるからいい。しかし親鳥の講釈は長いだけで、無駄だらけだ。オレが「う…