私の不器用な夫~「ありがとう」~

「羅沙さん、頼まれていたものはこちらであっていますか?」「あぁ、加瑠羅。そこに置いておいてくれ」 新しく部下になった私に彼は、威圧的に言う。彼は、砂の忍の中でも優秀だと聞いていた。将来を約束されており、三代目からもそれは…

私の不器用な夫

 私の夫は、忙しい人だ。 風影なんて偉い席について毎日、難しそうな書類とにらめっこをしている。同じ建物にいるはずなのに、私と住んでいる区域に帰ってくることなんてほとんどない。執務室の中ですべてを済ませてしまう。私が「花嫁…