【R-18】奥様の夜のお誘い?

※R-18です

「いいじゃないですか!ちょっとした、夜のお誘いに」

「私もサイのために買っていこうかな~」

 サクラといのが言うから「たまにはいいか」と思って、その場の勢いで買ってしまったが……そういうものはだいたい、家に帰って冷静になってしまえば、後悔しか生まれない。

*****

 シカダイを寝かしつけた後テマリは、居間でまだ乾ききっていない頭を抱えていた。クローゼットの奥にしまいこんだ紙袋の中身をどうしたものか、と。

 シースルーの下着。

 テマリが買う、ということ自体ありえないことだった。テマリの下着入れは、結婚しても無地一色で染まっている。ブラジャーもショーツも長時間装着していても問題ないもの……つまり色気のない下着を忍は着用するからだ。

 結婚した今でも、忍を生業としていた時の癖で愛用しているテマリにとって、今日買った下着は例外もいいところなのだ。

 そんなものが、夫であるシカマルに見つかったらどうなることやら……。

 見つかったときのために「下着屋でかわいらしいものをたくさん見れて、気分が良かったから……」と言い訳を考えてみるが、シカマルに通じるかどうかわからない。こういった下着の話など、付き合っていたころからしたことがないからだ。普段の下着にすら何にも言わない男だから、もしもテマリがそういったことをやる気になって着用しても、何も思わないかもしれない。

 いや、そもそもそんな言い訳をしなくてもいいかもしれない。まず、シカマルがテマリ専用のクローゼットを漁るなんてことはない。普段から、あのクローゼットを開けるのはテマリだけだし、シカマルはさほどクローゼットの中身に興味がないように思える。

 しかし、もしもの時のことを考えると、何を言われたものかを考えるだけで堪ったものではない。

 勧めてくれたサクラといのには悪いが、捨ててしまおう。

 そう決心すると、善は急げとばかりにテマリは2階へ静かに足を運ぶ。シカダイを起こさないようにそろりと廊下を歩き、夫婦の寝室の入ったところすぐにあるクローゼットの扉をあけて、下着がはいっている引き出しを開けた。

 風呂に入る前に、羞恥心から奥の方へとしまいこんだ紙袋を取り出すと、紙袋ごとくしゃりと丸める。そして、ベットサイドに置いてあったゴミ箱へと投げ捨てようとした。

 しかし、手が止まったのは、新品をこのまま捨ててしまうのがもったいない、と思ったからだった。

 だって……。試着すらしないまま捨ててしまうのは、もったいなくないか?たとえ、下着として機能しないものであっても。

 それは建前だった。テマリも、サクラやいのが買うような可愛らしい下着に興味がないわけではなく。むしろ、憧れていた。

 若いころは任務ばかりで、リボンやフリルがついているような下着を着けるような機会がなかった。唯一着れるであろう色任務は、戦闘の伴う危険な任務を優先してやらなければならなかった自分には縁がないものだった。

 やっとそういった女の子らしい下着を身につけられると思ったのは結婚してからだったが、家事をしている時にそのような下着をつけているというのが考えられず、結局手を伸ばすことはなかった。

 今日サクラといのに勧められて買った下着は、たしかにシースルーではあるが、レースが縫い込まれた可愛らしい下着だった。

 今まで自分が買うとは思わなかったような、それは、色気のある。

 その下着を身につけてみたい、とテマリは思った。

 ゴミ箱と同じく、ベットサイドに置いてある目覚まし時計を見ると、シカマルが帰宅を予定している時間にはまだ随分、早い時間だった。

 少しだけ、少しだけだから。これが終わったら、捨てよう。

 そう思うと、テマリは寝巻き代わりにしている浴衣の帯に手をかける。寝るために緩く結んでいたらか、テマリが少し手をかけるとその帯はするりと床に落ちていった。浴衣も肩から落としてしまうと、テマリの豊かに膨らんだ胸は浴衣の締め付けから解放されて、ふるりと震えた。

 テマリはショーツ一枚の姿で、丸めた紙袋にゆっくりと開けると薄い黒の生地を二枚取り出した。

 細いヒモに、向こう側が透けてしまっている生地は普段着用している厚手の下着からは程遠い。しかし、ブラジャーやショーツの生地に縫い込まれている花柄は、テマリの乙女心を惹きつけるのに充分だった。

 テマリは着けていたショーツも脱いでしまうと、おそるおそる薄いそれに手を伸ばす。任務に着ていったらすぐにちぎれてしまうのではないか、と心配になるような細いヒモを伸ばして、薄い生地のショーツを広げるとゆっくりと穴に足を差し込んだ。ふくらはぎに触れる、粗い生地の感覚にドキドキしながらもう片方の穴にも足をいれると、するりと上まであげた。

 それからブラジャーに手をかけると、ヒモがつくる穴に両腕を通して肩まで持ち上げるとホックをきっちりとかけて、深いカップの中に二つの白い果実をいれこんだ。

 体にまとわりつく、普段とは違う感覚に胸が高鳴った。

 開けっ放しにしていたクローゼットの扉の内側の全身鏡の前に立つと、新しい下着を身につけた姿をじっくりと見る。

 薄い生地は心許ないと思っていたが、逆にしっかりと体のラインを浮き出している。シカダイを出産した時、体がたるまぬようにとしっかりとトレーニングしていたおかげか、若いころには遠く及ばないが、いくらかまだ、マシだと思えた。しかし、透けて見える果実の先端の紅い部分や、隠されていない恥毛への恥ずかしさが拭えたわけではなかった。

 脱ごう。

 そう思って、テマリがブラジャーのホックに手をかけた時、突然、体が動きを止めた。

この感覚---中忍試験で---。

「あー……。ただいま」

 ドアの隙間から、申し訳無さそうな顔をしたシカマルが覗く。その手元ではきっちり印が結ばれている。

「術を解け!見るな!」

 テマリが羞恥心から顔を背けてシカマルに言ったが、シカマルはテマリの言うことなど気にせずに、近寄るとテマリの体を持ち上げてベットに置いた。術により自由を奪われたテマリはいとも簡単にベットの上で四肢を晒す。そして、シカマルはテマリの体の上にのしかかると、口で抵抗しようとするその唇を、己の口で塞いだ。

 唇と唇が触れ合うような柔らかいキスではなく、口内を舌で荒々しく犯すような行為だった。舌の絡み合いを強要し、歯がぶつかることも厭わない。

「んっ……ふ……」

 シカマルがかけた影真似の術とっくに解けていたものの、体の力が抜けたテマリにシカマルの胸板を押し返すだけの力は残っていない。

 形ばかりの抵抗になったところで、シカマルはやっとテマリから唇を離すと

「それ、すげーエロいんスけど……。誘ってるんスか?」

節くれだった指をつうとテマリの首元に這わせ、瞳の中の雄を隠さずに言う。

 こんなに、なるなんて。

 テマリは戸惑いを隠せなかった。ただ、いつもと違う下着を身に着けているだけなのに、こんなにシカマルを大胆にしてしまうなんて、と。

 普段、シカマルは徐々にギアをあげて事を運ぶ。だから、最初からこんなに荒々しく抱こうとしているのは、何も勝手を理解していなかったシカマルとシた時以来かもしれない。

 けれど、今のキスだけで体の芯が温まるような感覚があったのも、たしかだった。初めての時と大きく違うのは、経験値だった。抱くとか抱かれるとかいった関係になってから十数年たてば、キス一つにしても、お互いが良くなるところをしっかり熟知してしまっているのだ。

 こくり。

 小さくテマリが頷くと、シカマルはテマリの上にまたがったまま自らの上着の裾を捲り上げて、鍛え上げられた上半身を晒す。そして、テマリの胸元に一つ二つキスを施した。そのあと、そのまま顔を下にズラしてテマリの豊満なの間に顔を埋めると、柔らかさを堪能するかのようにその山を持ち上げたり寄せたりする。それから、手を動かすのをやめて、フゥーと満足するようにシカマルがため息を漏らすと、テマリは肌に触れる息がくすぐったく感じた。

 しばし、シカマルは谷間から離れようとしない。シカマル曰く「ふわふわ」のそれに顔を沈められるのは、男の憧れ、らしい。だから、抱く時はいつも胸に顔を沈めたがる。

 手を使われているわけでもない。ましてや敏感なところを触られているわけでもない。たかが胸に顔を沈めている、その程度のことなのにテマリの芯は熱気を帯びていく。やることと言えば「ふわふわ」を堪能するように、ぐりぐりとシカマルが顔を動かすぐらいなのだが、間近にある頭が振られるたびに、シカマルの、濃い、雄の匂いが、鼻をかすめ、雌であるテマリの下腹部に熱を帯びさせるのだ。

 女にされている。

 それを強く思う瞬間だ。一緒に生活をしていて、同じ匂いがするはずなのに、こういった時は全く違う匂いになる。嫌いじゃない。むしろ、好ましいとさえ思えるほどの匂い。

 テマリがシカマルのつむじをぼうっと見ていると、シカマルはおもむろに顔をあげ、わしっとブラジャー越しに乳房をわしづかみにすると、強弱をつけながら揉みしだき始める。粗い生地を隔ててのそれは、テマリの胸の先端にある、弱い部分に擦れて、いつもよりも余計に感じさせる。そして、生地の上から、固くなった突起を指ではじかれるたびに、下腹部の熱は急速にあがっていく。

「んぅ……」

 思わず声が漏れだす。それを聞いた瞬間シカマルはブラジャーも取らずに、盛り上がって主張しているその桃色の部分を、しゃぶりつく。口の中でころころと舌に弄ばされると、ねっとりとした唾液がざらざらとした糸と一緒になって、主張している乳首を刺激していく。

「あッ……ぅん……」

 テマリはその感情を高める呼び水に我慢ならず、声が出てくるのを口元を手で覆い隠して漏れないようにする。廊下の向こう側ではシカダイが寝ているのだ。母親のこのような姿を、声を、感じさせるわけにはいかない。

 しかし、シカマルが手を緩める気配がなかった。ちゅうと口の中のものを吸い上げながら、手を胸からみぞおち、熱が篭っている下腹部へとなぞっていくと、潤んでいるであろう秘部へと手を伸ばした。

「いつもより濡れてません?」

 いじわるそうにニヤリと笑うシカマルと久しぶりに視線を合わせると、腹を空かせた獣のような目をしていた。

 食べられてしまう。

 直感的に思った。けれど、この状況を望んだのは他でもない自分であることも確かだった。さっき、頷いてしまったのだから。精一杯の強気をこめて、

「ばか」

 とテマリが言うと、

「素直じゃねーなぁ」

 シカマルはショーツの上から、指で柔らかい肉を押しのけて秘部をなぞった。粘膜と生地がくっついているのを実感すると、ぼっと音をたててテマリの顔が赤くなる。

「今度から誘う時はこれ、着てくれよ」

 すっげぇ、良い。

 そう付け足すとシカマルはテマリの腹を撫でた。熱で浮かされてぼんやりとした頭ではまともに考えることができない。

 ちゅっちゅと音を立てながら、シカマルはテマリの腹に唇をあてていくと、ショーツに触れるかどうかのところで止まる。それから、ぴったりと張り付いている湿った生地を横にずらして直接、秘部に指を当てると何度か指を上下にさすり、漏れ出している蜜を指にまとわせると、まず一本、テマリの中へと侵入させる。

「んん!」

 足りないものを埋められる感覚がした。しかし、それはテマリが欲しているものにしては細すぎる。

 きゅうきゅうとシカマルの指を締め付けるそこで、シカマルは指をくの字に曲げると指先で壁をなぞる。ぐにぐにと確かめるように蠢く指は、溢れだす愛液の海でもがいているようにも思える。

「はっ…ァ!」

 指が当たった場所の中に、ピリッと快感が走らせる場所があった。シカマルにその場所をぐっと力強く押される度に、テマリが指の隙間から息が漏れだす。

「ふぁ…!はあっ……はあっ!」

「とりあえず、1回イッとけって」

 良い子だから、とでも言うように頭を撫でながら、耳元で響く、シカマルの低く尖った声は絶対命令だ。そう躾けられてしまっているから。頭で考える前に、体が従う。きゅっと指を締め上げると体はビクンと跳ね上がり、同時に強い電流が体中を走った。

「はぁ……はぁ……」

 じんわりと広がっていく快感と荒くなった息を、落ち着かせるために肩を揺らしている間に、シカマルは上半身を持ち上げて、カチャカチャと音をたてながらベルトを緩める。そして、パンツと一緒にズボンをずらすと反り上がった茎を取り出した。

「もー無理。挿れるぜ。多分、挿入るし」

 ぴとっと先端を当てると、テマリの返答を待たずにゆっくりと中に熱いものが挿入されていく。びくびくと動くその中を進み、奥までたどり着かせると、シカマルはテマリをベットに押し付けるように上に倒れこむと、テマリの頭上で

「はぁー……」

 肺の中をすべて出すような満足気な息をはく。

「それ、また着てくれよ」

「嫌だ」

 テマリが反抗的な態度を見せると、お仕置きだと言わんばかりに突然腰を動かし始めた。最奥を重点的に突き上げる、腰の動きに「まるで種付けみたいじゃないか」と思う。いや、行為自体は間違いではない。けれど、普段のシカマルはここまでしない。本当に発情しているみたいだ。

 冷静に考えている部分もあるが、テマリの頭の中は、シカマルに奥を突かれるたびに、ぐちゃぐちゃになる。頭上で「うっ……」と唸るシカマルの声と、額に当たるくすぐったい髭、ベットに押し付けられる度に主張してくる背中のホック、そしていつもよりも強烈なシカマルの雄の匂い。

 頭の中の、どこか冷静な部分がこの状況をおかしいと言っている。しかし、大半は快楽に埋まってしまっていて、まともに動くはずがない。

 きもちいい。すごい、きもちいい。

 ゆるゆると高ぶりが上がっていく。後ちょっとで頂点、というところまでくるともう抑えられなくなる。息遣いが荒いシカマルの胸に

「イ…イく!」

 とつぶやくと、ぎゅうと茎を力強く締め上げる。けれど、シカマルは動くのをやめない。厚い胸板を叩いて「無理だ、イヤだ」と伝えるが、痙攣している中への抽送やめない。

 シカマルから何の返事もなかったが「すまねぇ」とでも言うように頭を抱え、髪を余裕のない手つきで何度か撫でる。

 いっぱい。もう、何も考えられない。

 テマリが考えることを放棄したその時、中にいたシカマルの茎は脈打って、熱い液体を吐き出した。

*****

 事後、シカマルは自分の腕に寝るように促したが、テマリはそれを拒否した。そして、買ったばかりの下着をすぐに脱ぐと入っていた紙袋の中につめて、そのままゴミ箱へと投げ入れる

「もったいねぇ」

 シカマルがベットに寝転んだまま心底、残念そうに言う。

「無理にしたから、もう着ない」

 足を伝う液体をきっちりティッシュで拭きあげてから、床に落ちていたショーツや浴衣を身に着けながらテマリが言う。

 何も反応がなかったから、もう寝たのかとばかり思ったが、ベットからシカマルの手が伸びて、またベットへと引き戻した。シカマルは自分の腕にテマリの頭をのせて、腰にもう片方の腕を絡ませる。シカマルのご希望どおりの腕枕に、逃げないよう枷までつけて。

「残念。じゃあもし、オレが買ってきたら着てくれんの?」

「ないな。もう懲りた。そもそもお前、わたしのサイズ知らないだろう?」

「トップが90でアンダーが65だから……Fの65ってところかァ?パンツはMだろ?」

 ドンピシャ。

 テマリはシカマルの顔に手を伸ばす。なんだなんだ、と動揺しているシカマルのその鼻を思い切りつまんだ。

「買ってきたら、その場で風遁で切り刻んでやる」

 にっこりと笑うと、シカマルは「ふぁい」と間抜けな声で返事をした。

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