次回からバキとどう渡り合ったものか、とオレが考えながらがホテルを出て、帰路につこうとすると建物沿いの茂みの中に体を突っ込んで、何かを探している女がいた。綺麗に切りそろえられている茂みの中だからこそ、その女はよく目立っていた。
最初は無視をしようと思った。
尻が見えそうなショートパンツも素履きしているビーチサンダルも大変、魅力的だった。しかし、今はそれどころではないのだ。バキをいかに突破して、テマリとまた顔を合わせるか。そっちの方が大事だからだ。
しかし、無視できなくなったのはその女の声を聞いてしまったせいだった。
「キティ? キティ?」
不格好な女は、探し人であるテマリの声をしていた。茂みをガサガサと漁って、何かを漁っている。
現状よりも、まさかこんなところでまた、会えるなんてといった驚きがオレの中でいっぱいになる。
バキの言い方だと、テマリはホテルの中に軟禁されているはずなのに。今、ここにいる。