すっかり片付いたダイニングで今日も教科書とノートを広げ、ダラダラと話をする。
古文や歴史、英語だけでなく、数学や科学の分野についてもテマリは明るかったから、シカマルの思うところに難なく答える。
大学入試で出題される数式を展開していると、
「それも解けるのか」
テマリは目を見開くが、シカマルにしてみればテマリがなぜそこまで膨大な知識を抱えられるのか、謎だった。
過去に一度、なぜ、それほど知識を?と問うたことがあるのだがその時
「アラブに住んでた時、暇だったから」
平然とそう言い放った。そして、余りにもそこの生活は時間を持て余すものだったから、百年ぶりにこの国に帰って来た、とも。
やっぱりこの人、めんどくせーな。
シカマルはノートに答えを記すと、握っていたシャーペンを置いた。そして、解答を持っているテマリに正誤を問うと「正解だ」と返事をする。
当たり前だ。
冷えた緑茶を啜ると、苦味が増しているように感じた。