バキが見せる余裕の正体は何者なのか。
確固たる自信であるのだろうが、その自信とは何で、どこからきているのか。
考えれば簡単な話でそもそも、バキはオレと、迎えに来てドアを閉めてやるほど大事にしているテマリを会わせたくない。そして、昨夜のオレの行動にテマリは相当お怒りだったのだろう。もう二度と顔を合わす気がない、と。
頑固なテマリを熟知しているからこそ、それほど余裕があるのだろう。ああいうタイプは、一度言ったことを簡単には曲げはしない。バキにしてみれば、クソガキがここに来ただけでもおかしなことなのだ。しかし、オレがどこの誰かを知っている。だから、あまりに邪険に扱うわけにもいかず、茶を出す程度にはもてなしてくれる……といったところか。
となれば、また出直すという選択肢も見えてくる。とりあえずのところ、今日はここまでだ。もう茶は出てこないだろうが、向こうがに余裕があるうちは粘ってみるのもまた一つの手だ。