招かれざる客だと、自覚はしていた。
だから、それ相応の覚悟をしてきたつもりだが、テマリの「ファミリー」とやらは客としての扱いは最低限してくれる。
カフェに座ってシカマルを睨みつけていた男ーーー『バキ』と自ら名乗った男は、いつまでも帰らないシカマルを渋々、「ファミリー」とやらが確保していたであろう客室へと通してくれた。
クラブのものとは比べ物にならないぐらい、ふかふかのソファーに身を沈めるのは良いが、目の前のバキの視線がシカマルの体に突き刺さる。
品定めするにしても殺意がこもり過ぎている。
めんどーなことに首を突っ込んじまったか?
こんなことなら、テマリの言う通りに案内役からさっさと手を引けばよかったかもしれない。しかし、シカマルとて、ナルトと交わした約束に仁義を通さねばならない。
というのは建前た。ただ彼女のことが気になっているのが本音だった。