友達の輪は広がっていく。
だからシカマルとテマリが友達になると、また輪が大きくなった。二人を通じてキツネのナルトと、タヌキの我愛羅が仲良くなると、それがまた輪を広げて、気づけば大勢が集まるようになっていた。
森のなかにある空き地に集まり、くだらない話をする。二人が気づいた、ナルトまんの違いはもっぱら話のタネだった。
「オレのナルトまん、カンクロウのやつと確かに味が違うな」
「本当だ。オレのやつの方が、何か臭いな」
オオカミのキバと、モグラのカンクロウがひそひそ声で話している。二人は集めたナルトまんをたくさん食べ比べをして、味の違いとそれからどこから来ているのかを解明すると意気込んでいる。この二人は気があったらしく、空き地じゃない場所でも、カンクロウに合わせて夜に話すこともあると言う。
「おー! キバ、今日もやってるなぁ」
「オレとナルトは特に違いがなかったぞ」
そこに割り込むナルトと我愛羅、やがて他の動物たちも集まってくる。
わいわい楽しんでいる友達たちを、シカマルとテマリは遠くから見守っていた。何を話したのかわからないが、ナルトがキバに蹴飛ばされると、シカマルの傍らでテマリがふふっと笑う。
「楽しいか?」
「あぁ、とっても。こんなに人が集まったところを初めて見るから」
「……オレもだ」
テマリは思ってもいなかった。まさか目の前をシカマルが通りかかったことから、こんなことになるなんて、と。