一言にときめく5題_4.「待ってろ」

※アニボル58話ネタバレ注意

 木の葉と砂、中忍試験。

 たった二つのキーワードしか繋がりがないのに「テマリ様たちがそうなったから」と、なぜか私たちもそれになぞらえられていて。ただ一緒にいるだけなのに

「将来、あの二人もくっつくのかしら」

 なんて周りの木の葉の大人たちに茶化されて。年を経ればその話は現実味を帯びて、中忍試験から数年経った今では

「奈良ヨドになる日も近いわね」

 と言われる。普通に顔を合わすだけなら言われなかっただろうに、そんなことまで言われるようになったのは、毎回、シカダイが律儀に駅のホームまで私を迎えに来るから。

 言われるたびに顔をしかめると

「気にすんなって」

 シカダイは涼しげにそう言う。

「無理よ、シカダイと歩いていると絶対、言われるじゃない」

「……待ってろ。そう言ってんだよ。わかってんだろ、お前」

 知ってるわよ。だから、ずっと前から聞かされる身にもなってよって言ってるのよ。どうにかして、そのうるさい心臓の音。

(お題:確かに恋だった様 http://have-a.chew.jp/

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