【母ちゃんの誕生日 2/7】早朝のミニブーケ
「奈良シカダイと言えば、寝坊」と幼なじみのいのじんに言われるほど、シカダイは寝坊ばかりしている。 アカデミーがあっても、通学路の途中で寝る場所に最適そうな場所を見つけるとそこで二度寝をし始めてしまったり、授業はちゃん…
「奈良シカダイと言えば、寝坊」と幼なじみのいのじんに言われるほど、シカダイは寝坊ばかりしている。 アカデミーがあっても、通学路の途中で寝る場所に最適そうな場所を見つけるとそこで二度寝をし始めてしまったり、授業はちゃん…
7月某日。 熱風吹き込む砂隠れの里に、木の葉からの招待状を届けたのは一羽の鷹だった。 その招待状を心待ちにしていたカンクロウは、風影邸の屋上でその鷹が視界に入ると、自分の腕を空中に差し出す。鷹が爪を出し、羽をバタバ…
「母ちゃん、呉服屋さんが父ちゃんからって」 夕飯時で忙しい時にチャイムが鳴ったから、代わりにシカダイを使いにやらせたら、見慣れた風呂敷を抱えて戻ってきた。何を買ったのかさっぱりわからないが今、包みをあけている時間などない…
仕事用に、と与えられた火影邸の個室でシカマルは頭を抱えていた。机の上に置かれているのは里をあげて行うことになった納涼祭のチラシと、いのに押し付けられ浴衣のカタログ。その二つがシカマルの悩みの種となっていた。 チラシの方…
テマリにとって、木の葉に来て十何回目かの夏がきた。 現役時代に外交で木の葉へよく来ていたとはいえ、嫁ぐとなると勝手が違い、根付いている文化や慣習になじむのにやはり、それなりに時間がかかった。輪廻祭とは何たるか、年末から…
誰に似たんだか。 シカダイはそう思いながら、通学カバンの中に入っていた薄い桜色の封筒を持ち上げる。チョウチョウに連れて行かれる雑貨屋で一番人気だとか言う、恋が成就する封筒だ。恋のおまじないなんて言えば可愛らしいものなの…
いのじんに引きずられる形で、オレとチョウチョウは修行場への道を足を突き出していた。クソ暑い中の修行なんて、地獄以外なんでもない。こんな日は、さっさと家に帰って、カラカラに乾いた喉に冷たい麦茶を流し込み「なんかちょっとお…
別の日の鹿父子 あのイタズラからしばらく、シカダイは全くと言っていいほどイタズラをしなくなった。というか、イタズラをしようとするやる気すら感じられない。 帰宅した折、テマリにシカダイの様子を聞けば、ダルそうではあるが…
はじまり 「奈良相談役、お坊ちゃんが……」 と部下が慌てた様子で言いにくるものだから「なんだ?」と聞き返したら、アカデミーで教鞭をとっているシノがオレを呼んでいるらしい。本来ならその役割はテマリか母ちゃんの役割なのだけれ…