息子の産まれた日
「アンタ、調子悪いのか?全然食ってねーじゃん」「熱はないんだが、なんだかダルくて」「病院行ったか?」「まだだ。家事もやらないといけないことも残ってるし、もう少し落ち着いたら行くよ」「心配だし、オレもついてくわ。今日の午後…
「アンタ、調子悪いのか?全然食ってねーじゃん」「熱はないんだが、なんだかダルくて」「病院行ったか?」「まだだ。家事もやらないといけないことも残ってるし、もう少し落ち着いたら行くよ」「心配だし、オレもついてくわ。今日の午後…
九月二十二日。 シカマルが、腹の重い妻を残して家を出たのが2日前だと気づけたのは書面に書かれている日付からだった。 ***** 火影邸でのカンヅメが多くなったのには、ワケがあった。 夏休みが終わったばかりの、アカデミ…
『土の国の最新クレイパックセットだ ありがたく受け取れ!アタイの誕プレ、今年もあの化粧筆で頼む 去年貰ったやつ、そろそろ毛先がダメになってきた! 黒ツチ』 『今年も無事に誕生日を迎えられたようでなによりです。メイ様が「女…
簡単な撤収作業を終わらせたシカマルが帰宅できたのは、夜遅くなってからだった。 疲れた体を引きずって、玄関の引き戸を開けると居間に明かりがまだついており、妻と義弟たちの楽しそうな声が聞こえてきた。「あのシカマルがなぁ」 …
ドンと地面を揺らすような音がして、パラパラと火花が散っていく音がする。さぞかし美しく咲き始めた夜空の花よりも、シカマルはそれを眺めているテマリの横顔を眺めていた。 こんなつもりじゃなかったんだけどなァ。 そう心の中…
空がすっかりいつもの夜空に戻ったところで、ナルトが解散を告げる。 各々家族ごとに集まって散っていく中、シカダイもテマリの元へ行くと、テマリは空っぽになった重箱を風呂敷に包み直しているところだった。 テマリが机から持ち上…
家を出る間際に、テマリが台所から抱えてきたのは特大の風呂敷だった。それを見て、シカマルは「いーよ。オレが持つ」 と言って、自分で持って行こうとするテマリから、重箱を軽々と取り上げてしまう。「荷物の運搬は、男の仕事だ」 …
我愛羅とカンクロウが、木の葉の忍びたちに恭しく火影邸の中に誘い込まれていく後ろ姿を、シカダイはテマリと見守った。我愛羅と木の葉の忍が話していることに、シカダイは何の違和感も感じなかったのだが、カンクロウの表情が先ほどテ…
次に、シカダイが目を覚ましたのは昼頃だった。「いい加減にしな!」 部屋の前で仁王立ちしているであろうテマリの怒声で、目を開く。 テマリに、部屋に入ってほしくないことを告げたその日から、テマリはこうやって起こすようになっ…
シカダイがやまなか花から帰ってきても、家の中にはまだ人気が少しもしなかった。出てきた時とかわりなく、誰もいない。 不思議に思い、テマリがいるであろう台所や洗面所をシカダイは覗いたが、そこには誰もいなかった。卓上に置き…